ビジネスパースン野菜づくり

ビジネスパースン野菜作り(第4話)

■環境問題の難しさー大きな自然循環システムの異常

現在のエコロジー問題は温暖化の問題を含めて、地球のまだ解明されていない部分も含め、もっと大きな循環システムに異常が起こりつつある、そんな認識から生まれてくる根本的不安に根を下ろしているように思います。人類は人間圏と自然圏のアンバランスにもっと早く気付くべきだったのかもしれません。

ひょっとするともう手遅れかもしれないという抑えがたい絶望感があります。また大きな循環システムが関わることですので、私たちの懸命の温暖化防止に向けての努力の結果が出てくるのは、(勿論短期的な成果も出るでしょうが、地球全体の大きな循環システムに関わる事柄ですから)数千年先なのかも知れません。あるいは1万年、2万年のオーダーで考えるべきかも知れません。環境問題の難しさはこのあたりにもあるのでしょう。なかなか結果が出てこなくても努力を続けるためのモチベーションをどこに求めることができるでしょうか。

絶望感に囚われて全く温暖化防止のために犠牲を厭い、努力を放棄するとしたら事態は急速に悪化するでしょう。それはまさに破滅的行為です。

私たちは自然の有限性と地球システムの悪化の中で、恐らく人類として試されているのでしょう。もし地球を創造した神がいるとするなら、神は人間に何を求めているのか、その求めに対して私たちは人類の一人として答えなければならないでしょう。

■カルビン・ベンソン回路―緑縁への道

私の目の前に木の葉が見えます。陽の光の中で風に揺れています。その小さな緑の葉の中では、精巧極まりない複雑なカルビン・ベンソン回路(注:太陽光と炭酸ガスと水から、酸素とブドウ糖を生成する仕組み)が作動中です。1枚の小さな緑の葉の前で人間は無力を知ります。地球上の全ての生物はこの光合成によって支えられ、養われていると言っても恐らく過言ではないでしょう。

私たちはこのような事実に直面する時、謙虚な気持ちになり、自然の中にはそれぞれ循環システムがあることに気付かされます。

緑は人間活動の基盤です。緑による光合成が地球上の全ての生命を支え、養っているのです。いまこそ私たちはこの厳粛な事実を胸に刻み込む必要があります。

私たち人間は酸素をつくることもデンプンをつくることもできません。根本的、創造的なことはできないのです。私たち人間にできることは緑の価値を認め、このかけがえの無い価値を守り、高め、拡げていくことだと思うのです。人類的な観点から、緑の価値で人と人とを繋いでいくことではないかと思うのです。血縁、地縁では争いが絶えません。緑でつながる緑縁こそ平和のオリーブの葉です。


 

 

Copyright(c) 2015ミヨシフロンティア 屋上緑化菜園ガーデン -All Rights Reserved.