1月17日(日)ナスにはナスの実、 人には人の実
今朝、「朝の詩」1982-2002 新川和江編 幻冬社 を読んでいたらこんな詩に出合った。
なすには
なすの花が
きゅうりには
きゅうりの花が
そして実が
人間には
人間の花が咲きますか
人間の心が実りますか
大阪府高槻市のTさんの詩だ。この後Tさんは次のように続ける。
ナスの花や
きゅうりの花を
みているときらっとひかる
いのちがみえる
心がみえる
後半の部分は菜園でなす、きゅうりをつくっていると「みえる」ように思う瞬間が確かにある。それはそれとして、私がこの詩を読んで考えさせられたのは、人間の花、人間の心の実り、というところだった。この問いが私のこころに迫ってくるのは、私はまだ花を咲かせたという経験がなく、従って実をつけたという実感がないためかもしれない。70歳代になって咲かせる花は最初で最後、つける実も最初で最後、と思わざるを得ない。そうならば渾身の力を振り絞って花をつけよう。ナス、きゅうりをお手本にして。