屋上菜園ガーデンニュース

一緒にやれば農作業はもっと楽しくなる

 

 

今年最後の屋上菜園での作業は25日、北千住の商業ビルだった。今年の締めくくりということで、総勢9名が参加。

 

 

ジャガイモの取り残しを収穫して、残滓を片付けて作業を終えた。

 

現在屋上菜園にある野菜は、イチゴ、ブロッコリー、ニンジン、春菊、水菜、小松菜、ルッコラ、ニンニクそしてスイスチャード。

 

 

今年は夏の日照不足、秋には虫の害に見舞われた。日照不足の影響はトウモロコシとスイカに出た。スイカは出来が一回り小さかったし、聖護院大根、水菜、小松菜、ルッコラは黒いカブラハバチに食われ、元に戻るまで暫くかかった。

 

屋上でしかも露地状態で野菜を栽培していると、やはり虫の害が大きな問題となる。一方、病気の発生はなかった。昨年はイチゴの一部が炭疽病にかかり処分したが、今年は無事だった。

 

 

イチゴと言えば、「アッ」と感じたことがある。それはイチゴの立ち上がりだった。

3月のある日、北千住の屋上菜園に行った時のことだ。それまでマルチングシートの上に

平たく拡がっていたイチゴが一斉に立ち上がっていたのだ。適当な言葉が見つからないのだが、まるで少女がある日急に大人の女性になったかのような印象だった。花を咲かせ、果実をつける準備に入ったのだと感じた。

今年屋上で野菜栽培をしていて、一番印象に残ったことだ。

 

 

さて農作業は何人かでやると楽しい。菜園がコミュニケーションの場になる。野菜の栽培状況についての話が第一になるが、それ以外の身辺雑事も話題になる。野菜栽培のための知識、セオリーは勿論大切にしなければならないが、私たちは野菜に触れながら、いつの間にか人間同士も触れ合っている。この触れ合いが大事なのだと思う。

 

昨年の夏のある時、スイカの蔓の整理をしていた。ビルのメンテンススタッフの一人が菜園に立ちより、スイカの様子を見ながら「こんな薄い土じゃ余りできないな」と忠告してくれた。そのスタッフは「子供の時、母親を手伝って農作業をしていたので野菜のことはよく知っている」「農作業を手伝ったんですね。大変だったでしょう」「そうだよ。親父が早く亡くなったもんだから、母親を助けて手伝ったんだ」「そうだったんですか。もし時間があったら教えていただけませんか」「いいよ」・・・そんな会話をしたことを思い出します。

 

「屋上菜園」という場が持っている魅力の一つを感じます。そして蛇足ですが、2m x 6m のスイカの区画で大、中15個のスイカが収穫できました。その報告をしましたら、「申し分ありません」と言ってくださいました。屋上用の土の力を見直してくれた一幕でもありました。

 

 

私たちがやっている農業を農家の方達はどのように見てくださるでしょうか。私自身の思いを言わせて頂くなら、そこで育てる野菜というモノと同じくらい屋上菜園という場で育てる人と人との触れ合い、コミュニケーションを大切にしたいと思うのです。野菜が育っていく、いわば生命の成長の時間が菜園には流れています。ゆっくりとした時間です。

そんな時間と隣り合わせながら、私たち、人間同士の時間も流れていきます。

 

農作業は一人でやるよりも仲間と一緒にやった方がずっと楽しい。2人でも3人でも。

                                   (以上)

 

 

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